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心療内科

神経内科 | 心療内科

診療について

心療内科とは、身体疾患のうち発症や経過に心理的や社会的な因子が密接に関与する病気である心身症を主に診療する科です。身体面だけでなく、心理面、社会面も含めた総合的な診療を行っています。

日本心身医学会では、『心身症とは、身体疾患の中で、その発症や経過に心理社会的因子が密接に関与し、器質的ないし機能的障害が認められる病態をいう。ただし、神経症やうつ病など、他の精神障害に伴う身体症状は除外する』と定義しています。しかしながら、うつ病や神経症でも身体症状が主な場合、十分な身体的検査と、身体症状と心の両面に配慮した治療が必要です。

そこで実際には、次のような症状をお持ちの方を対象として治療します。

  • 何らかの疾患あるいは症状があり、心理・社会的要因(一般にいうストレス)が、症状の出現や悪化と関連があると考えられる方
  • 胃が痛い・頭痛がする・体がだるいなどの症状があるが、いろいろ検査をしても異常がないと言われた方
  • 食欲が抑えられなかったり、食べることが怖くなったりする方(拒食症、過食症)
  • パニック障害、うつ病などで、精神症状より身体症状が強い方

心療内科では、初診時にこれまでの症状の経過や心理・社会的背景を十分にお聴きします。そして、身体的検査(血液や尿の検査、レントゲン、心電図、脳波など)や質問紙などによる心理検査などを、必要に応じて行います。

治療は主に心理療法と薬物療法とに分かれます。患者さんの症状や心理・社会的要因などから総合的に判断して、最も適していると考えられる治療法を用います。自律訓練法、認知行動療法、箱庭療法などといった特殊な治療も必要に応じて行っていきます。病気の種類や程度によっては入院治療をお勧めする場合もあります。

心療内科の外来は神経内科と同じ産業医科大学病院1階の受付に面した一角の外来で行っております。曜日により午後(午後2時まで)にも初診の受け付けをしております。患者さんが多く、また、一人の患者さんの診療に掛かる時間が長いため、1時間以上お待たせする場合がありますが、あらかじめ御了承ください。

研究について

心療内科では国立精神・神経医療研究センター、群馬大学などの共同で心身症の機能画像研究や遺伝子研究を行っております。また、ストレス反応の中で体温変化について着目し、その詳細な機序について動物モデルを用いた研究も行っております。

入局後の進路について

臨床研修終了後、本学大学病院や国立国際医療センター国府台病院などで臨床のトレーニングを継続し、6年目までに日本内科学会認定医と日本心身医学会認定などを取得していただきます。その後は大学院に進学して各々の希望に添うかたちで研究を行っていただくか、その後も臨床の研鑽を継続していただくかご希望をうかがうことになります。また、心療内科は産業医学とも親和性が高く、株式会社オリエンタルランド(東京ディズニーランド)、株式会社バンダイナムコゲームスなどのアミューズメント企業や株式会社ジェーシービー、西日本シティ銀行などの金融企業、ソフトバンクなどの通信関連会社などで卒業生が活躍しています。