中森雅之先生に大学院講義を行っていただきました。
山口大学大学院医学系研究科臨床神経学講座・教授の中森 雅之先生にお越しいただき、大学院講義を行っていただきました。筋強直性ジストロフィー(myotonic dystrophy, DM)は、成人で最も頻度の高い筋ジストロフィーであり、日本では数万人の患者が存在します。DMは常染色体優性遺伝疾患で、遺伝子上の非翻訳領域にある塩基繰り返し配列の異常伸長が原因です。DMではこれまで根本的治療法はなかったのですが、変異遺伝子から転写された異常RNAが病態の中核となることが判明し、アンチセンス核酸、低分子、ドラッグリポジショニング戦略などで異常RNAを標的とした治療開発が進められています。本講義では、骨格筋だけでなく、心筋や神経系など全身で多様な症状を呈するDMの病態をご説明していただき、近年開発が進んでいる治療アプローチと今後の展望についてお話しいただきました。本講義はDMの理解に大変有用な内容でした。また、この疾患の今後の病態抑止治療の開発の可能性がよく理解できた有意義な講義でした。中森先生の今後のご研究の益々のご発展をお祈り申し上げます。大変、有意義な時間を過ごさせていただきありがとうございました。