磯部紀子先生に大学院講義を行っていただきました
本講義では、「中枢神経系自己免疫性疾患における病因の解明と治療の未来」のタイトルで、九州大学大学院医学系研究院神経内科学 教授の磯部紀子先生に中枢神経系自己免疫性疾患、特に多発性硬化症を中心にどのような要因が発症に関わっているのか、中でも遺伝的要因や環境要因に注目してお話しいただきました。さらに、同定した病因が表現型にも関連していることや病因を踏まえた治療展開の可能性についてもお話しいただきました。本講義では、主として多発性硬化症について200万人以上の患者さんの遺伝子解析データから出て来たデータをご紹介いただき、遺伝的なバックグラウンドが発症に関係していることをわかりやすくお話しいただきました。また、近年多くの薬剤が使用されている多発性硬化症の治療アルゴリズムについても予後を規定する多くの因子を元にした治療薬の選定について概説していただきました。多発性硬化症の病態の理解に大変有用な内容でした。磯部先生の今後のご研究の益々のご発展をお祈り申し上げます。大変、有意義な時間を過ごさせていただきありがとうございました。