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山下 賢先生に大学院講義を行っていただきました

本講義では、「封入体筋炎の病態メカニズム−炎症性筋疾患のアップデートと共に−」のタイトルで、熊本大学大学院生命科学研究部 脳神経内科学講座 准教授の山下 賢先生に封入体筋炎(IBM)についての最新の知見と臨床所見についてお話しいただきました。コロナ窩の中でこの講義は初のWeb開催での大学院講義となりました。IBMは、高齢者に好発する炎症性筋疾患であり、手指屈筋や大腿四頭筋の非対称性の筋力低下と筋萎縮が特徴です。今日まで有効な治療法は確立しておらず、10年以内に車椅子状態となる難治性筋疾患です。IBMの病態は少しずつ解明されつつありますが、「炎症が先か」、あるいは「変性が先か」という最大の謎は未解明のままです。近年、本患者血清中に見出された抗NT5C1A抗体は、炎症と変性の病態のクロストークを解き明かす鍵となることが期待されています。本講義では、炎症性筋疾患のアップデートと共に、封入体筋炎の病態メカニズムについても概説していただきました。今後の私共の臨床に有用な内容でした。山下先生の今後のご研究の発展をお祈り申し上げます。有意義な時間を過ごさせていただきありがとうございました。