三條伸夫先生に大学院講義を行っていただきました
本講義では、進行性多巣性白質脳症(progressive multifocal leukoencephalopathy: PML)の病態における炎症の関与とこの病態解析に基づいたPMLの治療についてお話いただきました。PMLは、通常の免疫状態であれば不顕性感染のままで終わるJCウイルス感染が、免疫不全状態などの理由により再活性化されて起こる感染性脱髄性脳症で、以前は後天性免疫不全症候群(acquire d immunodeficiency syndrome: AIDS)、悪性リンパ腫などが基礎疾患として数多く報告され、症例の半数近くが数週間から数ヶ月で死亡していましたが、近年では自己免疫疾患の免疫調整薬や多発性硬化症の疾患修飾薬(disease modifying drug: DMD)に関連した症例が増え、予後も変化しつつあります。本講義では、PMLの予後にかかわる因子として炎症について、ウイルス免疫における炎症のコントロールという観点で解説をしていただきました。今後のPMLの診療に役立つ内容で大変有意義な会となりました。今後の三條先生の益々のご活躍をお祈り申し上げます。